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【2023年最新】渡航前に必ず確認を!フランス・パリの治安の実情と注意すべき犯罪の手口

中山

プレパレ!の編集長。語学学校、留学エージェントの両方の立場から多くの生徒さんの支援をした経歴や、北米、アジア、ヨーロッパ、アフリカなどを旅した経験から、本当に必要な情報の発信に日々邁進中。

フランス・パリは世界中からの観光客が訪れる美しい都市ですが、大都市ならではの治安の問題も存在します。普通に生活している上で、日々命の危険を感じるようなことはありませんが、軽犯罪や巧みな詐欺などは、特に観光客に見えるあなたが知らないうちにターゲットとなっている場合があります。

今回は近年の動向を踏まえて、パリの治安は実際どうなのか?気をつけるべき犯罪の手口はどんなものなのか?という点を解説します。

フランス・パリの治安はどう?

多くの留学生、観光客が訪れている花の都、フランス・パリですが、実はそれほど治安が良好とは言えません。

フランス自体も、Numbeoという調査データベースにおいての評価では治安が良くない国=犯罪指数が高い国として36位にフランスが挙げられています。

 

フランス全体の治安の概要

まず、フランス当局が発表している直近のフランス全体の犯罪統計を見てみましょう。

引用:海外対策安全情報

直近の3ヶ月の統計ですが、詐欺や傷害事件、性犯罪が昨年に比べて増加しているのは気になる動向です。

犯罪はイタチごっこのようなもので、私たちが対応策を考えることに対して新たな手口がどんどん生まれます。そのため、最新の情報を常に確認しておくことが非常に大切になります。

 

日本人対象のフランスにおける犯罪の概要

フランスでは、毎月10件以上の日本人が被害者となる犯罪が報告されています。

引用:日本人の犯罪被害 月例統計 - 在フランス日本国大使館

そして、上記の犯罪の89%がパリで発生しているものです。

フランスの日本大使館に報告されている犯罪統計によると、2023年における9月までの犯罪内訳は以下のとおりとなっています。

2023年最新のフランスの犯罪内訳

第1位:スリ(50%)

第2位:置き引き(23%)

第3位:車上狙い(6%)

同第3位:ひったくり(5%)

第5位:空き巣(5%)

第6位:強盗(3%)

第6位:暴行(3%)

スリにご注意!

上記の犯罪割合でわかるように、日本人がパリの犯罪で最も身近で気をつけなければいけないのが、スリです。パリ以外でもリヨンやニース、マルセイユなどの比較的外国人が多い大都市で頻発しています。

スリというのは基本的に、普段より多めにお金を持ち歩いており、かつ気持ちが緩んでいる観光客を狙ってくることが多いです。

そのため世界で見ても観光都市での被害が多くなるわけですが、中でもパリはかなりスリが多い地域です。日本人にとってだけでなく世界中からある意味注目されている都市で、海外のスリに関する記事でもパリはほとんどの場合「スリが多い都市」として名を連ねています。

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2、パリ、エッフェル塔周辺

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1, パリ

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2. パリ、エッフェル塔周辺

私も語学留学でパリに滞在していましたが、周りの学生でスリの被害に遭った学生はたくさんいましたし、実際に私が地下鉄に乗っていた時にコートのポケットに手を入れてきた人もいました。

その時は幸いすぐに気がついてので問題なかったですが、このようなことは日常的に起こり得ると考えてください。

その他にも詐欺や置き引き、ひったくりなどの軽犯罪はよく報告されています。

 

パリの治安がいいエリア、良くないエリア

どの都市もそうですが、治安の良いエリアと悪いエリアが必ず存在します。パリも例外ではなく、地域によって治安の差があります。

パリの治安にはある傾向があります。

以下に、空き巣や強盗、車上狙い等の犯罪が起きている地域のマップを掲載します。

引用:Paris Crime Rate – Safety Travel Guide

パリは中心から渦を巻くように「区」が数字によって区切られており、1区から20区までに振り分けられています。

以下はただの地図なので色は治安と関係ありません。位置と数字だけ参照してください。

これらを照らし合わせて分かるように、ルーブル美術館やポンピドゥセンターなどの観光地があるパリ中心の1区とその周辺、および北部の17区から19区あたりの治安があまり良くありません。

18区はかつてピカソやダリなどが住んでいた芸術の街で、モンマルトルの丘、ムーラン・ルージュなどの観光地があり訪れる日本人も多いです。ただ、夜遊びのエリアとも言われ、実は治安が良くありません。訪れる際には昼間に誰かと一緒に、所持品に気をつける、などの注意が必要です。

逆に南西の14区、15区は落ち着いており、比較的治安も良いエリアになります。私は留学生時代に14区に住んでいましたが、パリでありながら日本の地方都市のようなのんびりした感じがあり、ごちゃついておらず生活にはちょうど良い環境でした。

上に挙げたのはあくまで傾向です。治安が良いと言われるエリアでも、夜間の一人歩きや混雑してメトロの車内などは犯罪のターゲットとなりやすくなりますので、次に挙げるような犯罪の手口を知り、「犯罪に巻き込まれやすい状況」を防ぐ工夫が必要です。

 

パリの犯罪の具体的な手口は?

もちろん、スリ以外にも気をつけるべきことはたくさんあります。

以下にパリで起こりがちな犯罪や問題のケースを5つ挙げています。

1. スリや置き引き

パリ中心部や観光地、地下鉄などの混雑した場所では、スリや置き引きが多発しています。特に、先ほど紹介した18区のモンマルトルのサクレ・クール寺院周辺やエッフェル塔近く、ルーヴル美術館などの観光スポットは要注意です。ルーブル美術館内にはあらゆるところに「スリに注意!」の看板が設置されているほどです。

地下鉄内などでは、特に乗客が多く隣の人と接触するくらいの距離の場合は危険です。財布やスマホをポケットの中に入れていたり、リュックに入れてジップを閉めていてもジップが自分の死角だったりする場合は気づかないうちに取られている、なんてことも。

さらにスリの怖いところは、どんどん手口が巧妙になっていること。

パリのグループ型スリの手口

・1人が声をかけてきて、話を聞いている間にもう一人が盗む

・1人が突然体や荷物にぶつかってきて、気を取られているうちにもう一人が盗む

・1人がケチャップなどのシミを服につけてきて、それについて話したりしている間にもう一人が盗む

・1人がコインを道や地下鉄内でばら撒き、拾ったりやりとりをしている間にもう一人が盗む

このように単純に背後や死角から気づかない間に盗むだけでなく、あなたの気が散るようなシチュエーションを作ってくるのが、スリの本当の怖いところです。

貴重品は身体に密着した場所に保管し、混雑した場所ではバッグのファスナーやポケットをしっかりと閉めてください。

また、置き引きにも要注意です。パリの主要空港、シャルル・ド・ゴール空港からRERのB線で市街地に出た際によく利用するパリ北駅(Gare du Nord)などは、特に治安が良くないことで有名です。

市内までたどり着いてホッとし、荷物を脇に置いて次の道順や滞在先についてスマホで調べている間に荷物を盗まれる、などの事例は非常によく耳にするケースです。

スーツケースなど荷物が多いと、いろいろなところに気を配らなければいけなくなり自然と注意も散漫になりがちです。

空港に到着したら、まず荷物を置くために滞在先までの行き方を安全な場所に座ってしっかり調べましょう

そして滞在先まで直行し、その後に再度外出するなど工夫ができると安心です。

2. 詐欺行為

一部の地域では、観光客を対象とした詐欺行為が増加しています。たとえば、ストリートゲームを勧誘されたり、友情ブレスレットと称してアクセサリーを手に巻きつけられ、後から高額な代金を要求されるケースがあります。これらの勧誘には応じず、注意深く行動することが大切です。

私が友人と凱旋門を訪れた際には、片言で日本語を話すヨーロッパ系の男性が「友情の証」と言ってミサンガのようなものを友人の手首に巻き、お金を請求してくることがありました。とっさにみんなで走って逃げてことなきを得ましたが、こう言った事例があると分かっていてもすぐさま反応はできないものです。

またカードやコイン、コップとボールなどを使ったイカサマ賭博の詐欺などもあります。あなたが勝ったら利益となるようにルールを説明されますが、実際は周辺にサクラがおり、絶対に勝てない仕組みになっていてお金を取られてしまうような形になっています。

このようなケースでは、日本人は相手の圧に耐えきれず言われたお金を払ってしまうことが多いです。

知らない人から声をかけられたら、まずは詐欺などの可能性も頭に入れながら話すことを徹底しましょう。

ただ、もちろんパリには、親切心で道案内をしてくれたり階段などで重い荷物の運搬を手伝ってくれたりする思いやりの文化もあります。私も実際そういう方々に何度も助けられましたし、そういう人を見習いたいと思えたのもパリの思い出の一つです。みんなが悪人ではないので安心してください。

3. 夜間の移動

夜間、特に深夜になると、一部の地域では治安が悪化することがあります。北駅(Gare du Nord)や東駅(Gare de l'Est)周辺は特に注意が必要です。夜間の移動はなるべく大通りを選ぶ、タクシーや信頼性のある輸送手段を利用することをおすすめします。

北駅は北部郊外の移民労働者が働くエリアと直結していること、また人が多く常に混雑していることから、治安が悪いと良く言われます。移民の方にはもちろん素晴らしい人はたくさんいますが、あくまで傾向、比率として頭に入れておいてください。

4. デモや抗議活動

近年、パリでは政治的・社会的なデモや抗議活動が頻発しています。これらの活動は平和的に始まることが多いものの、時に暴力的な展開になることもあります。デモの予定や動向を事前にチェックし、デモが行われる場所やルートは避けるようにしましょう。

デモに関しては治安の面以外でも、例えば航空会社やその他バス等の交通関係のストライキなどが日本人にとって影響を及ぼすものの一つでもあります。

私が滞在していた時もエールフランス航空がストライキを行い、帰国便が飛ばなかった友人がいたりしました。ストライキの場合は事前にスケジュールが出ることが多いので、移動の際は情報収集を怠らないようにしてください。

5. テロリズム

残念ながら、過去数年の間にパリではテロ事件が発生しています。公共の場所や観光地、大きなイベントなどでの警戒を怠らないよう心掛けてください。公的な情報源や現地のニュースを頻繁にチェックし、非常時の対応方法や避難経路を事前に確認しておくとよいでしょう。

テロは無差別的に行われるもので、その発生を一般人が予測することはほとんど不可能です。ですので過剰に警戒してもしょうがない側面はありますが、何かあった際にどう対応するのが最善か知っておくことが自分の命を守る大きな手助けになります。

在フランス大使館の安全の手引きでは、

爆弾テロの場合:”窓ガラス等から離れ、爆風によるガラス片等が降りかからない壁際 の床や机・ベッドの下等に潜り込み、爆発音がおさまってから周囲を警戒しながら避難”をする

銃を使ったテロの場合:”自動小銃等の銃声が聞こえた場合には、直ぐ地面に伏せること。そして、射撃音の方向を確認し た上で、射撃音と反対方向を目指し、低姿勢をとりながら現場離脱”をする

上記のような対応を推奨しています。

実際の手引きも渡航前に確認し、知識を入れておきましょう。

安全の手引き - 在フランス大使館

 

パリで被害に遭わないために、何ができる?

犯罪は、被害の内容によってはどうしようもないケースが当然あります。その一方で、事前に情報を知っていたり工夫することで防ぐことができる、または被害を最小限に抑えることができるケースもたくさんあります。

まずはいろいろなケースを知っていただき、情報として頭に入れていただきました。ここからは、パリでの犯罪を避けるため、または被害を最小に留めるためにどんなことができるか、紹介しておきます。

全て大切なことなので、しっかり読み込んでいただけると幸いです。

 

おしゃれは二の次と考える!

せっかくのフランス滞在、最高におしゃれして楽しみたい気持ちはもちろん分かります。ですが、現地の方は意外にシンプルな格好ですので、いかにも外国人っぽい華美な格好は犯罪を招きやすくなります。また、身の回り品を的確に安全に収納するためには、多少のおしゃれは捨てても

・簡単に自分の身から奪えないような形状のバッグを選ぶ

・ファスナーが閉まるのは大前提、ファスナー部分が隠せるものがなお良い

・ジップのあたりが常に自分の視界に入るような持ち方をする

の3点を気にしてバッグを選んでみてください。

たびレジの登録、在留届の提出

まずフランスに行く際にやっていただきたいのが、たびレジの登録とオンライン在留届の提出です。

たびレジは、日本の外務省が運営する安全情報の発信サービスです。登録することで渡航先の犯罪等安全に関する情報が提供されます。大きな犯罪があった地区を知らせたり、現地政府から安全に関する情報が出た際に通知をしてくれます。

現地にいてもフランス語のテレビで放送されていることが分からなかったりすると、重要な安全情報を聞き逃してしまうことがあります。また、現地で事件や事故に巻き込まれてしまった場合も円滑な支援が可能になるため、渡航前に必ず登録してください。

たびレジ

オンライン在留届は、海外に3ヶ月以上滞在する方の登録が必須となっています。これは旅券法第16条において提出が義務付けられていますので、3ヶ月以上フランスに滞在する方は必ず登録してください。

在留届は、役所で提出する海外転出届とは違い、大使館や総領事館に「私はこの国に長期滞在しますよ」と知らせる手続きです。これによって、事件や事故に巻き込まれた際の安否確認などが可能になるほか、在住者として日本の在外大使館の領事窓口サービスなどを受けることが可能になります。

外務省オンライン在留届

海外旅行保険の加入

海外旅行保険は、多くの方が加入した上でフランスへ旅立つと思います。ただ中には「高いし安全な国だから大丈夫だろう」と保険に入らない方が結構いらっしゃいます。

結論から言うと、クレカ付帯保険でもいいので海外旅行保険は必ず用意すべきです。

海外旅行保険はケガや病気の時だけでなく、持ち物の盗難の被害や紛失の際にも補償があります。数千円程度しか入っていない財布の盗難程度で済めばいいですが、スマホやPCが入ったバッグごと盗まれた場合などの損失額は計り知れません。

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プレパレ!の編集長。語学学校、留学エージェントの両方の立場から多くの生徒さんの支援をした経歴や、北米、アジア、ヨーロッパ、アフリカなどを旅した経験から、本当に必要な情報の発信に日々邁進中。

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