フィリピンでNetflixやPrimeVideoを利用してドラマやアニメ、映画などを視聴したいと思った時にハードルになるのが、海外からのアクセス制限。海外からこのようなコンテンツにアクセスするためには「VPN」を利用する必要があります。
ただ、VPNサービスを提供している会社は非常に多くあり、どの事情者を選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、フィリピンでVPNを利用する人におすすめのVPNサービスについて、気をつけたいことやおすすめの事業者を徹底解説していきます。
VPNって?
VPNとは、インターネット上において仮想的に構築されるプライベートなネットワークのことを指します。
VPNを利用すると、さまざまなメリットがあります。
特にセキュリティ環境が脆弱だったり、アクセス制限がかかることがある海外では特に以下のようなメリットがあります。
VPNのメリット
・プライバシーの保護
・セキュリティの向上
・地域制限の回避
・センシャルシップの回避
VPNは公開されているインターネット上を、まるで専用の回線のように利用するための技術です。そのため、セキュリティが弱い公共Wi-Fiを利用している際でも通信情報を秘匿し安全に利用ができます。
また、VPN事業者には多くの国にサーバーを設置してあり、VPNを利用する際に海外のIPアドレスを選択して利用することができます。
このため日本国外に住んでいても、日本のIPアドレスからアクセスしているようにすることができるため、Netflixをはじめとした地域制限のかかるサービスを利用できるようになります。
VPNのメリット等の細かな解説について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
フィリピンのサイバーセキュリティについて
フィリピンはさまざまなサイバーセキュリティの課題に直面しています。
VPNは単に国外のIPアドレスが使用できるだけでなく、インターネット通信の安全を確保することができるものです。
そのため、フィリピンでは特に通常時でもVPNの使用が推奨されています。
どんなセキュリティ問題の事例があるのか見てみましょう。
1. オンライン詐欺の増加
フィリピンでは、オンライン詐欺が増加しています。詐欺師はさまざまな手法を用いて、個人情報や金銭を不正に入手しようとします。VPNを利用して通信を暗号化することで、詐欺からの保護を強化できます。
具体例: フィッシング詐欺
オンライン詐欺の代表格として、フィッシング詐欺が広まっています。詐欺師は、銀行やオンラインアカウントの詳細を盗むために、偽のウェブサイトや偽装メールを使用します。被害者は本物のサイトと思い込み、個人情報やパスワードを提供してしまうことがあります。
こうした事象は日本だけでなくフィリピンでも起こります。英語での指示だと注意深い方でも意味が分からず引っかかってしまうことがあります。
2. サイバー攻撃のリスク
フィリピンの一部の組織や政治的な対立が、サイバー攻撃の標的になっています。外部からの攻撃やデータ侵害から個人情報や機密情報を保護するためにも、VPNを使用することは重要です。
具体例: サイバー攻撃による政治的干渉
フィリピンでは、サイバー攻撃が政治的な影響力を持つ個人や組織に対して行われています。たとえば、政治家や政府関連のウェブサイトへの攻撃や、機密情報の盗難が報告されています。
こうした事象は日本の留学生には関係ないように見えますが、政府クラスでも安全が保障されていないインターネット環境であることは理解しておきましょう。
3. 公共Wi-Fiのセキュリティ
フィリピンの公共Wi-Fiネットワークはセキュリティが脆弱なことがあり、ハッカーや盗聴者によるデータの傍受が懸念されます。VPNを利用することで、公共Wi-Fiを安全に利用できます。
具体例: カフェや空港でのWi-Fiハッキング
一般的なカフェや空港などの公共Wi-Fiネットワークは、セキュリティが弱いため、ハッカーによるWi-Fiハッキングのリスクが存在します。ユーザーが公共Wi-Fiを利用する際、データが傍受される可能性が高まります。
特に、公共Wi-Fiを利用しているときにクレジットカード情報を入力したり、住所やパスワードなどの個人情報を入力する場合にはリスクが高まります。
フィリピンでVPNを使う際に気をつけること
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上での通信を暗号化し、ユーザーのプライバシーやデータの安全性を高めるためのツールとして設計されています。しかし、VPNの安全性は、使用するVPNサービスの種類やその品質、設定方法などによって異なります。
以下、VPNの安全性に関しての考慮点を挙げてみましょう。
ログポリシー
一部のVPNサービスはユーザーの活動を記録することがあります。これらのログが第三者に漏れるリスクがあるため、ログを取らない「ノーログポリシー」を採用しているVPNサービスを選ぶことが推奨されます。
VPNのログポリシー、「ノーログVPN」については以下の記事も参考にしてみてください。
サーバーの安全性
VPNサービスのサーバーが安全でない場合、ユーザーデータが危険に晒される可能性があります。信頼性の高いVPNサービスは、サーバーのセキュリティを確保するための対策を取っていますので、事業者を選ぶ際にはこうした点にも注意をする必要があります。
法的制約
VPNサービスの本社がある国の法律や政策によって、ユーザーデータの取り扱いや開示の要求が影響を受けることがあります。例えば、一部の国では政府がVPNサービスにユーザーデータの開示を要求することができる法律が存在します。これだとせっかく本来安全なサービスであるはずのVPNを利用していても、情報漏洩のリスクが常に付きまとうことになってしまいます。
VPNプロトコル
VPNには様々な通信プロトコルが存在します。
通信プロトコルとは、コンピュータやデバイス同士が情報をやり取りする際の「ルール」や「手順」のことを指します。これにより、異なるデバイスやシステム間でもデータの交換がスムーズに行われるように設計されています。
簡単に例えると、通信プロトコルは人々が会話をするときのマナーや言語のようなものです。例えば、日本語で話すことを「日本語プロトコル」と考えれば、英語を話す国の人とコミュニケーションを取るためには、英語に切り替える(「英語プロトコル」を使用する)必要があります。このように、デバイス間の通信も特定のプロトコルに基づいて行われます。
一部のプロトコルはセキュリティが高い一方、一部は脆弱性が指摘されているものもあります。VPNを利用する際も、セキュリティの高いプロトコルを選択することが重要です。
無料VPNのリスク
一部の無料VPNサービスは、ユーザーデータを第三者に販売することで収益を上げているなど、信頼性の低くセキュリティやプライバシーのリスクが高まる可能性があります。
以下、無料VPNの注意点です。
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データの漏洩:
- 一部の無料VPNサービスは、ユーザーのデータを適切に保護しないことがあります。これにより、第三者によるデータの傍受や盗聴のリスクが高まる可能性があります。
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プライバシーの侵害:
- 一部の無料VPNプロバイダーはユーザーのオンライン活動をトラッキングし、これを第三者に販売することで収益を上げている場合があります。このような行為は、ユーザーのプライバシーを著しく侵害するものです。
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偽のVPNサービス:
- インターネット上には、偽のVPNサービスを提供している詐欺サイトも存在します。これらのサービスを使用すると、マルウェアやスパイウェアがデバイスに感染するリスクがあります。
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低いセキュリティ:
- 無料VPNは有料のVPNサービスに比べてセキュリティのレベルが低いことが多いです。これにより、サイバー攻撃やデータの漏洩のリスクが高まる可能性があります。
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接続の制限:
- 無料VPNサービスは、接続速度の制限やデータ使用量の制限を設けていることが多いです。これにより、快適なインターネットの利用が難しくなることがあります。特にフィリピンはWi-Fiの通信速度が日本に比べて遅いことがほとんどで、さらに質の悪いVPNを利用することでライブストリーミング型のコンテンツの視聴が難しい場合があります。語学学校のWi-Fiなどは一部を除いて「ギリギリ動画が視聴できるくらい」というレベルも依然として多いです。生中継のスポーツや番組を見たい方は特に注意しましょう。
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広告の表示:
- 一部の無料VPNサービスは、収益を上げるために頻繁に広告を表示することがあります。これにより、ユーザー体験が低下するだけでなく、悪質な広告からのマルウェア感染のリスクも考えられます。
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不完全な地域制限の回避:
- 無料VPNは、地域制限のあるコンテンツへのアクセスを完全に回避できないことがあります。特に、一部のストリーミングサービスはVPNの使用を検出してアクセスを制限する技術を持っています。逆に良質な有料VPNの場合は、1つの国のIPアドレスを利用する場合でも複数の接続先を持っており、接続がうまくいかない際に再試行が可能な場合が多いです。
フィリピンはeコマースやオンラインゲームの市場が急速に発達しており、インターネットユーザーも爆増していますが、政府も対応に追われるほどフィリピンはサイバーセキュリティには課題を抱えています。
サイバーセキュリティ関連の被害も多く、一部の調査ではフィリピンのGDPの1%近い50億円もの損失を計上しているとも言われています。
フィリピンでのインターネット利用にはVPNの利用を含めて細心の注意が必要であることはお分かりいただけると思います。
フィリピンで使えるオススメのVPNサービス
それでは、安心して使えるVPN事業者は一体どんなところが挙げられるでしょうか。
以下に信頼できるVPN事業者を挙げましたのでぜひ参考にしてみてください。
3位:SUIKA VPN
まず第3位は日本企業が運営している「SUIKA VPN」です。
単月の費用で言うとこの中で紹介しているVPN事業者の中でも最も安く、1ヶ月あたり1097円から利用ができます。もちろん長期使用の契約になればさらにお得に。
SUIKA VPNの長所はなんといっても日本語でのサポート対応があること。有料で良質なVPN事業者は外国企業がほとんどで、数少ない利用したい日本の事業者です。
SUIKA VPNのデメリットとしては、
・ノーログVPNとの記載がない
・iOS向けの専用アプリがなく、iPhone、Macを使っている人には不向き
といったところが挙げられるので3位としました。
2位:SurfShark
フィリピンでおすすめのVPNランキング2位は、SurfSharkです。
Surfsharkは接続台数無制限のサービスとなっており、スマホやタブレット、PCなどあらゆる端末で使いまくりたい方にとてもおすすめです。
Surfsharkについては大きなデメリットはなく優等生な事業者ですが、一部接続の不安定性やサーバー台数が少ない点についての指摘があったりする点から2位としました。
1ヶ月の料金はSUIKA VPNよりも高めとなっていますが、接続台数で割ると利用台数が多い場合は断然お得ですね。
1位:NordVPN
フィリピンでおすすめのVPNランキング1位は、NordVPNです。
NordVPNは、パナマに本社を置くVPN事業者です。フィリピンでのVPN使用については、セキュリティの高さが特に求められるためNordVPNが1位となりました。
一見「パナマ?」と思うかもしれませんが、これが「ノーログVPN」を可能にしている仕組みです。パナマは「データ保持法」という、インターネットサービスプロバイダが一定期間通信履歴を保存しなければならない法律がありません。そのため通信ログが残らない、流出しない体制を整えられています。
またNordVPNのセキュリティは軍事レベルのAES256bitという暗号規格を採用しており、そのセキュリティの高さは折り紙付きです。
また、長期契約になると業界でもトップレベルの1ヶ月550円!これは嬉しいですね。
30日間の無料返金保証が付いているので、まずはNordVPNで試してみる、というのが賢い手かもしれません。
NordVPNについては、私が実際にフィリピンで使っていたレビュー記事もありますのでぜひ参考にしてみてください。
NordVPNの接続台数は最大6台となっていますので、それ超える利用の予定がある方は接続台数無制限で2位に挙げたSurfSharkの利用も検討してみましょう。
フィリピンで安全にVPNを使用する方法
フィリピンでVPNを利用する際には、以下の注意点に留意しましょう。
1. 信頼性のあるVPNサービスを選択
信頼性のあるVPNサービスを選びましょう。評判が高く、セキュリティ対策が強化されているサービスを検討し、先ほども解説したとおり、無料のVPNには十分注意しましょう。
2. 常にVPNを有効にする
VPNを利用する際には、その設定を常に有効にしておくことが大切です。特に公共Wi-Fiネットワークを使用する場合は、VPNをオンにしてデータの安全性を確保しましょう。
3. オートコネクト機能を活用
一部のVPNサービスにはオートコネクト機能があり、特定のネットワークに接続すると自動的にVPNが起動する設定ができます。これを活用することで、セキュリティを強化できます。
4. マルウェア対策を強化
VPNだけでなく、マルウェアやウイルス対策も重要です。信頼性のあるセキュリティソフトウェアをインストールし、定期的なアップデートを行いましょう。
フィリピンではサイバーセキュリティに関する課題が存在しますが、適切な対策を講じることで、オンライン活動を安全に行うことができます。VPNの利用はその一環として、個人情報やデータの保護に役立つ重要なツールです。
まとめ
フィリピンでVPNを使う際、事業者選びの注意点やおすすめなどをフィリピン在住者の目線から探っていきました。
個人情報の漏洩などは、本人の気づかないうちに大ごとになってしまうことがあります。
クレジットカードが止まってしまい、セブに現金をあまり持ってきていなくて途方に暮れている留学生も見てきた私としては、VPNの月額料も安くはないですが皆さんが安心して最高のフィリピン生活を送ってくれることをお祈りしております。